- 化学反応式は化学反応を化学式で表現したもの
- 化学反応式前後では原子が消えたり増えたりしない
- 化学反応式を作成する上で4つのルールがある
化学では様々な化学反応がありますが、それぞれの化学物質がどのような反応をするのかを示したものが化学反応式になります。
化学反応式では、守るべきルールがいくつもあり、それらをしっかりと理解することで自分でも化学反応式を書くことができるようになります。
今回は理想気体の状態方程式の内容と意味について詳しく確認していきます。
今回の記事では化学反応式の説明から自分で書くために必要な知識や演習まで全て説明していきます。こちらの記事を読めば、化学反応式を1から書くことができるようになります。
化学反応式とは?
化学反応式とは化学反応による変化を化学式を使って表した式のことです。
炭素を燃焼すると二酸化炭素が発生する際の化学反応式を記載せよ。
炭素はC, 酸素はO,二酸化炭素はCO2で表されるので、化学反応式は以下のようになります。
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化学反応式の4つのルール
化学反応式を作成する上で、守るべきルールは主に4つあります。
これらのルールを守った上で化学反応式を作成していきましょう。
<化学反応式の4つのルール>
- 原子の種類は変わらない
- 原子の数は変わらない
- 原子は分かれない
- 係数は整数のみを用いる
ルール1:原子の種類は変わらない
化学反応式では矢印の左右で、反応前と反応後を表しており、化学反応の前後で原子の種類が変わることがありません。
例えば、化学反応によって炭素原子が酸素原子に変更することはなく、化学反応の前と後でも炭素は炭素のままです。
ルール2: 原子の数は変わらない
化学反応によって原子同士の結合が変わったりすることはありますが、原子が反応の前後で突然現れたり消えたりすることはありません。
そのため、原子の数は化学反応の前後で変更することはないです。
ルール3: 原子は分かれない
原子は基本的にそれ以上分割することができない最小単位の物質であり、炭素原子が2つの原子に分離したりすることはありません。
化学式の中には2文字のものがありますが、それらも分離することはできません。
例えば、塩素(Cl)が化学反応式の前後でCとLに分離することはなく、塩素(Cl)で1つの原子と考えてください。
ルール4: 係数は整数のみを用いる
化学反応式では化学式の前の数字である係数は、全て整数になります。
化学反応式を作成している際に係数が分数になってしまうことがあるかもしれませんが、その際には係数を全て整数に直します。
<化学反応式の4つのルール>
- 原子の種類は変わらない
- 原子の数は変わらない
- 原子は分かれない
- 係数は整数のみを用いる
化学反応式の4つのルール
化学反応式では先ほどの章で説明したように4つのルールがありますので、そちらルールを守った上で化学反応式を作成する必要があります。
<化学反応式の4つのルール>
- 原子の種類は変わらない
- 原子の数は変わらない
- 原子は分かれない
- 係数は整数のみを用いる
これらのルールを守っている化学反応式を作成するためには以下の4つのステップで化学反応式を作成していく必要があります。
<化学反応式の作成手順>
- 1つの原子に着目する
- 1つの原子数を反応前後で合わせる
- STEP1,2を繰り返す
- 係数を全て整数になおす
こちらの手順については実際に問題を解きながら確認していくほうがいいと思いますので、問題を一緒に見ながら理解をしていきましょう。
まずは式を暗記し、それぞれの文字の意味を理解することが、計算問題を解く上で必須となっていますので、必ず覚えるようにしてください。
また、計算問題は繰り返し自分で解くことでしか解けるようにならないので、演習問題なども過去問などを使って行うようにしていきましょう。
問題演習
以下の化学反応式の係数を求めよ。
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STEP 1: 1つの原子に着目する
今回の化学反応式では反応前後で1つしかないNaに注目して、反応前後が同じになるように調整する。
STEP 2: 1つの原子数を反応前後で合わせる
Naが反応前後で同じになるように、ここでは係数を1にして反応前後でNa原子が1ずつになるようにする。
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STEP 3: STEP1,2を繰り返す
次に係数が決まっていない箇所が少ない原子に注目したほうが計算が簡単になるため、ここでは酸素原子(O)に注目して計算を行います。
反応後の右では酸素原子(O)が2つあるため、反応前の左でも酸素原子が2つになります。
NaOHに酸素原子が1つ含まれているため、酸素原子が1つ含まれているが1つあれば反応前の酸素原子の合計も2つになります。
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同様に水素原子(H)に着目して計算を行うと、
反応前の左ではNaOHの1つとの2つ、計3個の水素原子があるため、左も水素原子が3個になるように調整します。
反応後の右ではで2つの水素原子が存在しているため、に含まれる水素原子(H)が1つにすべきなので、係数はとなります。
※ は1分子に3つの水素原子が含まれるため、個ので水素原子が1個になります。
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最後にリン原子(P)に注目すると、
反応後の右ではリン原子が個の原子があるため、反応前の左での係数はとなります。
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STEP 4: 係数を全て整数になおす
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STEP 3までですべての係数が決まったものの、一部の係数が分数になっています。
STEP 4ではこの係数を全て整数に直すために全ての係数に同じ数をかける、という作業を行います。
今回の問題では分母に3があるため、全体に3をかけて全ての係数を整数に変更します。
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これで問題文で求められている化学反応式の作成が終わりです。
この記事のまとめ
今回の記事では化学反応式のルールと係数の決め方について詳しく説明していきました。
<化学反応式の4つのルール>
- 原子の種類は変わらない
- 原子の数は変わらない
- 原子は分かれない
- 係数は整数のみを用いる
<化学反応式の作成手順>
- 1つの原子に着目する
- 1つの原子数を反応前後で合わせる
- STEP1,2を繰り返す
- 係数を全て整数になおす
毎年化学反応式の作成についての問題が出ているので、こちらの作成手順をしっかりと覚えて、自分で係数を決められるようにしておきましょう。