高圧ガス製造保安責任者乙種化学の試験(以下、高圧ガス乙種化学試験)で理想気体の状態方程式についての問題はよく出題されています。
しかし、問題はさまざまな形式で出題されるため、状態方程式をしっかりと暗記し、たくさんの問題演習を行い理解を深める必要があります。
状態方程式についての詳細はこちらの記事で詳しく説明しているので、不安がある方はこちらの記事も読んでみてください。
今回の記事では状態方程式を使って、圧力を求める計算問題を実際に解いてみましょう。
今回の問題
体積,物質量2mol,温度27度の二酸化炭素の圧力はいくらか。ただし、二酸化炭素は理想気体とみなす。
理想気体の状態方程式の解き方
理想気体の状態方程式を使った計算問題では、以下の4つの手順を意識して計算すると簡単に解くことができます。
<理想気体の状態方程式の計算手順>
- 求める値を確認する
- 状態方程式を変換して、求める値を左へ移動
- わかっている値を代入する
- 計算する
以下では、こちらの4ステップに沿って計算問題を実際に解いていきます。
今回の解答
今回の問題の解答は997.68Paです。
求める値を確認する
体積,物質量2mol,温度27度の二酸化炭素の圧力はいくらか。ただし、二酸化炭素は理想機体とみなす。
問題文には「圧力はいくらか」と記載があることから、今回の問題では圧力を求める問題だということがわかります。
状態方程式を変形する
今回の問題では圧力を求める問題なので、圧力であるPが左になるように式を変形していきます。
<式の変形>
こちらの変形によって求める値のPが左で、その他の文字が右に移動した状態になります。
わかっている値を代入する
体積,物質量2mol,温度27度の二酸化炭素の圧力はいくらか。ただし、二酸化炭素は理想機体とみなす。
問題文をしっかりと読むと、今回の問題の条件は以下であることがわかります。
<問題の条件>
- V = 5
- n = 2 mol
- T = 300 K
ここで注意が必要なのが、問題では日常で使われる気温の「摂氏」で表現されているという点です。
状態方程式で使われる温度は絶対温度であるため、必ず絶対温度へ変換するようにしましょう。
<絶対温度への変換方法>
「絶対温度」 = 「温度」 + 273
計算する
全ての文字に数字を代入した後は実際に計算をして圧力(P)を求めます。
<Pの計算>
以上より、今回の答えは997.68Paであることがわかりました。
今回の記事のまとめ
理想気体の状態方程式では以下の4ステップで解くことができることを確認していきました。
<理想気体の状態方程式の計算手順>
- 求める値を確認する
- 状態方程式を変換して、求める値を左へ移動
- わかっている値を代入する
- 計算する
理想気体の状態方程式をより深くためにも、繰り返しこちらの4ステップを意識して演習をするようにしてください。
[…] 理想気体の状態方程式を利用した計算問題 [演習 1] […]