- 組立単位で出題されるのは4つ
高圧ガス製造保安責任者の試験において、出題される単位は主に4つです。
<組立単位>
- 力の単位 N [ニュートン]
- 圧力の単位 Pa [パスカル]
- 仕事の単位 J [ジュール]
- 仕事率の単位 W [ワット]
この4つの単位の変換方法をしっかりと覚えておけば学式の最初の1問は必ず解けるようになりますので、繰り返し練習をして解けるようにしておきましょう。
それぞれの単位の変換方法については下の記事で詳しく説明していますので、そちらもご確認ください。
今回の記事では組立単位の問題について説明していきます。こちらの記事を読めば、毎年第一問として出題されている組立単位を理解できるようになります。
問題
次のイ、ロ、ハ、ニのSI単位のうち、正しいものはどれか。
イ.
ロ.
ハ.
ニ.
引用:乙種化学 平成20年 問1
解説
組立単位の変換は以下の4つが主に出題されています。
<4つの組立単位>
N(ニュートン)の単位変換方法
力の単位(N)を理解する上で、まずはニュートンの運動方程式を覚えましょう。
ニュートンの運動方程式の詳細などは理解する必要がありませんが、それぞれの文字がどのような意味があるのかはここで覚えてください。
<ニュートンの運動方程式>
F = ma
F: 力 (N), m: 物体の質量(kg), a: 加速度()
加速度についてわからない人はこちらの記事を読んでください。
イコールでつながっている等式では単位が揃っているはずなので、以下のように変換することができます。
<ニュートンの運動方程式 (単位のみ)>
ハ.についての解説
ハ.
上の説明より
<ニュートンの単位変換>
なので、ハの式が間違っていることがわかります。
Pa(パスカル)の単位変換方法
圧力の求め方は以下のようになります。
<圧力の計算方法>
圧力 (Pa) = 力 (N) ÷ 面積 ()
よって、圧力は以下のように定義されます。
<パスカルの単位変換>
ニ.についての解説
ニ.
上の式より問題文が正しいことがわかります。
また、先ほど記載した通り、圧力の定義が以下のように定義されています。
<圧力の計算方法>
圧力 (Pa) = 力 (N) ÷ 面積 ()
このことから、右側の式も正しいことがわかります。
J(ジュール)の単位変換方法
1Jは1Nの力で1m物体を動かした際のエネルギーのことを指しています。
そのため、仕事(J)の計算方法は以下のように定義されます。
<仕事(J)の定義>
仕事 (J) = 力 (N) x 距離 (m)
こちらの定義より計算をおこなっていくと以下のようになります。
<仕事(J)の変換>
()
以上より仕事の単位ジュールは以下のように定義されます。
<ジュールの単位変換>
ニ.についての解説
ニ.
上の式より問題文が正しいことがわかります。
また、先ほど記載した通り、圧力の定義が以下のように定義されています。
<仕事(J)の定義>
仕事 (J) = 力 (N) x 距離 (m)
このことから、右側の式も正しいことがわかります。
W(ワット)の単位変換方法
仕事率とは一定時間に行われる仕事量を表すための指標であり、仕事率は以下のように計算されます。
<仕事率の計算方法>
「仕事率」 = 「仕事」÷ 「時間(s)」
「仕事率」 = 「仕事」÷ 「時間(s)」と計算できるため、以下のように単位変換がされます。
以上より仕事率を示すワットは以下のように定義されます。
<仕事率の定義>
ロ.についての解説
ロ.
以上の式より問題文の式が間違っていることがわかります。
右側の式については仕事率の定義より正しいです。
<仕事率の計算方法>
「仕事率」 = 「仕事」÷ 「時間(s)」